45軒目の記事は、2021年12月に石川県七尾市にある『そば切り げん』に行った際の記事です。
昼食をいただきにお邪魔しました。
やはり、新そばの時季になると、いろいろなお蕎麦屋さんへ行こうと思いを巡らせてしまい、結構に遠方のお店までを探してしまいます。
ただ、今回はあまり時間が無かったので、七尾市内のこちらのお店に向かってみました。
開店時間前にお店の駐車場に着いたんですが、看板は「開店中」になっています。
ならばと、お店に入り女将さんに聞いたところ、まだ空いていないとのことです。
看板のしまい忘れかと、ガッカリしながらも、お店のなかで待たせていただくことになりました。
開店時間の5分前、住家から店主が急いででてきて、「いま作るからね」と優しく言ってくれます。
なんか、すみません。
身支度を整えた女将さんもでてきて、お茶を入れてくれます。
重ね重ね、すみません。
ついでに、注文もさせていただきました。
急がせたわけではないんですが、10分ほどで「おろしそば」が運ばれてきました。
蕎麦が、考えられないくらいに透きとおっています。
見た目からも、品が感じられます。
まずは、蕎麦をひと口。
あまーーーい。
蕎麦の甘み?
水の甘み?
とにかく、とんでもなく甘みを感じます。
それと、蕎麦が何より、みずみずしい。
水を食べているような感覚ですが、蕎麦の食感はもっちりモチモチとしています。
次に、ツユでひと口。
出汁の風味はそれほどではないですが、やはり澄み切った水が旨いんでしょうかー。
蕎麦の旨みや甘みを、引き立たせるためのツユです。
後口に、蕎麦の甘みが残ります。
おろしは、辛味ありです。
女将さんから、「ツユを蕎麦にかけて食べてください」と聞いたので、蕎麦の上におろしをのせ、おろしの上からツユをぶっかけました。
これがまた、旨いのなんのー。
蕎麦も、おろしも、皿に齧り付いて、かっこみました。
残ったツユに、蕎麦湯を注いで、残らずたいらげます。
食べ終わった頃、店主が厨房からでてきて、私の横にきてくれました。
店主は、福井県大野市で蕎麦の修業をされたようで、今も大野から直接に在来種の玄蕎麦を仕入れて、お店で蕎麦を挽いているとのことです。
以前きた時より、値上げされていましたが、玄蕎麦の仕入れ値が4割も上がったようで、今までは何とか値上げせずにやってきたんですが、もう難しいとのことです。
止む無くの値上げなんですね。
それと、こちらのお店の上流に、平成の名水百選に選ばれた「藤瀬の霊水」があるんですが、こちらのお店の蕎麦やツユも、その霊水を使用しているようです。
私も、自分の水割り用にちょくちょく水を汲みに来てはいるんですが、この霊水は珍しい軟水だったんですね。
知らないで、飲んでいました。
店主から、沢山のお蕎麦のお話も聞けました。
お腹いっぱい、ご馳走さまでした。
* 藤瀬の霊水は、皆さんポリタンクで汲みに来ているので、混雑時はとんでもなく時間がかかります。藤瀬の霊水の利用には、別途、駐車料金が500円かかりますので、ご注意を。
【お店の情報】
店名:そば切り げん
電話:0767-66-8035
営業:11:00~18:00
休日:休日や営業時間は電話でお確かめください。